「自画自賛」日銀総裁の3つの嘘を垂れ流す日本を代表する経済紙

「金融政策は全体として所期の効果を上げている。昨年4月4日に量的・質的金融緩和を決めた際には、実体経済に金融緩和の効果が波及する3つのルートを考えていた。ひとつは長期金利を含めてイールドカーブ全体を押し下げる効果、2番目はいわゆるポートフォリオリバランス効果、3番目は市場や経済主体のデフレ期待を転換する効果で、それぞれが効果を上げている」(24日付日本経済新聞 「日銀総裁インタビュー」)

まさに、「自画自賛」といったところでしょうか。

「イールドカーブ全体を押し下げる効果」といわれていますが、政策金利は既に実質0%ですから、「全体を押し下げる」ことは出来ません。さらに、野田前総理が党首討論で自爆解散を宣言した時点の10年国債利回りは0.745%、黒田総裁が就任した時点では0.565%、そして直近5月23日の新発10年国債の利回りは0.590%…。就任した時と比べれば、イールドカーブは平らになるどころか、若干立っている(期間の長い金利が上昇)ともいえる状況にあります。

こうした事実からすると、「長期金利を含めてイールドカーブ全体を押し下げる」ことは出来ていないというのが本当のところ。

「2番目はいわゆるポートフォリオリバランス効果」。これは、一般の方には分かり難いことですが、銀行から国債を買入れることで銀行のポートフォリオの現金比率を高め、ポートフォリオ全体の収益率を強制的に引き下げることで、リスク資産への投資比率を増やさせようというものです。

確かに、日銀が市場に供給する2014年4月のマネタリーベースは、2013年3月末比で87兆3382億円増加していますが、その96.3%に相当する84兆796億円は日銀当座預金に預け直されています。同じ期間、銀行の貸出金は2.3%、9兆3719億円億円しか増加していません。一言で言えば、期待する「ポートフォリオリバランス効果」はほとんど見られていないということ。

「3番目は市場や経済主体のデフレ期待を転換する効果で、それぞれが効果を上げている」といわれています。確かに、安倍総理が「大胆な金融緩和」を宣言したことで円安が進み、それによってエネルギー価格を中心に物価は上昇し、消費者物価指数は1%台前半まで上昇して来ました。

しかし、こうした生活コストの上昇によって醸成されたのは「インフレ期待」ではなく、「インフレへの恐怖」といえるもので、これを「成果」だといわれても世間には理解してもらえないのではないかと思います

このように検証してみると、「昨年4月4日に量的・質的金融緩和を決めた際に、実体経済に金融緩和の効果が波及する」と考えていた「3つのルート」は、ほとんど「成果」を挙げてないというのが現実だと思います。

日本を代表する経済紙は、何故何の検証もせずに、日銀総裁の「自画自賛」インタビューを大々的に載せるのでしょうか。チェック機能を放棄したのか、能力を失ったのか…。果してどちらなのでしょうか。

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近藤駿介

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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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