今はもう秋 ~ 発表された時点で「遅行指数」になっている「先行指数」に基づいた「夏場以降回復」

(2014年8月7日)
「内閣府が6日発表した6月の景気動向指数(速報、2010年=100)は一致指数が前月比1.8ポイント低下の109.4となり、2カ月ぶりに悪化した。消費増税前の駆け込み需要の反動で、企業の生産や出荷が低迷し、4~6月期は景気が持ち直す動きが鈍かったことを示した。ただ、先行指数は0.7ポイント上昇の105.5と5カ月ぶりに改善。景気は夏以降に上向く可能性が高い」(7日付 日本経済新聞「景気、持ち直し鈍く」)

悪いのは何時も一時的、近い将来の見通しは何時も明るい。

日本を代表する経済紙の記事は、万年強気の証券会社のセールストークのようです。しかも景気が上向くとする理由は「景気の『谷』の局面では1カ月程度先行するとされる先行指数は今年1月以来、5カ月ぶりに改善に転じた」という何とも曖昧な理由。

そもそも、「先行指数は、一般的に、一致指数に数ヶ月先行する」(内閣府)と言われているものです。この先行指数を、「景気の『谷』の局面では1カ月程度先行する」と強調したのは、これまで散々繰り返して来た「消費増税後の減速を経て夏場以降回復」という見通しの辻褄合わせでしかありません。先行指数が景気に「数か月先行」するとしてしまっては「夏場以降回復」というこれまで繰り返して来た見通しを修正しなくてはならなくなってしまいますから、「夏場以降回復」というシナリオを維持するためには、先行指数を「1ヶ月程度先行する」ものにする必要があったということです。

しかし、日本を代表する経済紙がいうように「先行指数」の先行性が「1カ月程度」なら、「先行指標」の意味はありません。6日に発表されたのは6月の景気動向指数ですから、先行指数が「1ヶ月程度先行」するのであれば、先行指数は先月の経済状況を示していることになってしまいます。要するに、発表された時点で「先行指数」ではなく「遅行指数」になっているということです。

日本経済は、6月の先行指数に基づいた日本を代表する経済紙が呪文のように繰り返している「景気は夏以降に上向く可能性が高い」という見通し通りに、先月から景気は回復基調に向かい始めているのでしょうか。

ちなみに、7日は「立秋」。暦の上では「今はもう秋」となりました。日本を代表する経済紙が繰り返して来た見通しが正しいものだったかの結果が明らかになるまでの時間はさほど長くありません。
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