内憂外患 ~ 「馬が合わない」関係になった安倍政権と金融市場

日本の安倍首相らは『こんなに長い間、米国をうまくだませたなんて信じられない』とほくそ笑んでいる。そんな日々はもう終わりだ」(23日付日経電子版 「トランプ氏「もうだまされない」 日本の要求通さず」

まさに内憂外患。日本のメディアはトランプ大統領と安倍総理は「馬が合う」と繰り返してきたが、全くの見込み違いであったことが露呈してしまった。

世界が警戒感を抱く中で就任前のトランプ大統領と会談し、世界の首脳の中で真っ先に「信頼に足るリーダー」だと称賛し、朝鮮問題に関しては「米国と100%一致している」と繰り返して親トランプを強調して来た安倍総理にとって、信頼関係においてトランプ大統領と「100%一致していなかった」という現実を突き付けられたことは致命的ダメージともいえる。

「100%一致している」はずだったトランプ大統領が北朝鮮との首脳会談を決断したのを受けて慌てて日朝首脳会談を模索するというのも失態。

また、17回もの首脳会談を経て「ウラジミール」「シンゾー」と呼び合う親しい関係にあることを強調していた日ロ関係も、何の進展もない。

残念ながら「地球儀を俯瞰する外交」「個人的信頼関係」を掲げて来た安倍外交は何の成果もあげられない「虚構」だった。

米中の貿易戦争が日米株価急落を招いた原因だという論調が支配的だが、日本が輸入制限適用猶予7か国に含まれなかったという外交的失敗の影響も無視できない。

外交の失敗、森友学園問題の再燃、目標達成が事実上無期延期されている金融政策の継続…。内憂外患状況に陥った日本株を外国人が10週連続で売り越すのも至極当然のことといえる。安倍政権と金融市場の関係が「馬が合わない」関係になってきたことの証明でもある。

25日に「馬が合わない」と言われていたオバマ前大統領との会食に臨む安倍総理。オバマ政権は大統領就任前のトランプ大統領との会談に対して批判的コメントを出したが、日本を輸入制限適用7か国から外したトランプ政権はどのようなコメントを出すのだろうか。トランプ大統領との距離が広がらなければいいが。


証人喚問で「二匹目のどじょう」にされる佐川前理財局長

「佐川氏の証人喚問に応じる方針で一致しました。一方で、安倍総理大臣夫人の昭恵氏と、国有地の売却交渉が行われた当時に財務省理財局長を務めていた迫田元国税庁長官らについては、文書の書き換えに関わっていないなどとして、証人喚問に応じない方針を確認しました」(20日付NHK NEWS WEB)

なるほど。「文書書き換え問題」を厳しく追及することで、「森友問題」には触れさせないという作戦。

佐川前理財局長に公文書書き換えの罪を負わせてしまえば、その後佐川氏が「森友問題」について政権に不利な発言をしても、「自分の国会答弁にあわせて平然と公文書の書き換えを指示する人のいうことを信じられるのか」と言い逃れが出来るようになる。

これは、詐欺罪で収監中の籠池被告の時と同じ。佐川氏は「二匹目のどじょう」ということ。

佐川さん、真実を話すなら今しかありませんよ!

パワハラ疑惑に反論した至学館学長のおかしな論理

「栄監督の率いるレスリングチームの道場は、彼個人のものではありませんから、わたしが『使わせる』と言えば、伊調 馨さんはいつでも使うことができます。その程度のパワーしかない人間なんです、栄和人は。『パワーのない者によるパワハラ』というのがどういうものなのか、私にはわかりません」

この方の論理に従えば、経営陣に人事を握られている部長や課長によるパワハラは存在しないということになり、会社組織の中でパワハラを行えるのは社長だけということになってしまう。

絶対水準として「その程度のパワー」であったとしても、相対的に「パワーの差」が存在すればパワハラが起こり得るという当たり前のことを学長であるこの方がご存じないとしたら問題だ。

記者会見を聞いて安心したことは、この方が既に国政から引退されている方だということ。

「出口」の検討を控える日銀に誕生する「リフレ派」の副総裁

「2%の物価安定目標を達成する前に出口戦略の発動はあり得ない」「(2%の物価安定目標の)達成が難しいなら追加の緩和策を考えざるを得ない」(5日付日経電子版 「若田部氏『必要なら追加緩和』 日銀副総裁候補が所信」

次期副総裁候補の若田部早大教授は5日の国会で積極的な金融緩和を続ける考えを表明した。

「2019年度ごろに出口を検討していることは間違いない」

若田部教授に先立つ2日の国会で所信表明を行った黒田日銀総裁は、このように述べ、1年後には出口を検討することになるという見通しを示していた。

1年後には「出口論」を検討しなければならない今の日銀に、「年間80兆円をめどとする長期国債買い入れ額(保有残高の年間増加額)の90兆円への引き上げや物価上昇目標の2%から3%への変更」を主張する副総裁が本当に必要なのだろうか。

ご本人は異次元の金融緩和の継続を強調し、出口戦略の話を封印することが日本経済にプラスになると信じ込んでいるのかもしれないが、こうした柔軟性のない考えを持った人が日銀の副総裁に就任予定であることこそが金融市場の波乱要因だといえる。

因みに政府と日銀が物価目標を2%に定めたのは、世界の主要国が2%を物価上昇の目途に置いていることが大きな理由である(表向きだが)。しかし、この「2%の物価上昇」に関しては日米欧で若干の定義の差がある。

FRBにとっての「2%の物価上昇」という目標は「2%を中心とした水準」ということであり、ECBにとっては「2%を上回らない水準」である。これに対して日本では「安定的に2%を上回る」ということになっている。つまり、表面的な「2%の物価上昇」という目標は日米欧で同じであっても、実際には日本が掲げているハードルが一番高い。そうした状況の中で前年同月比0.9%の上昇というのは「道半ば」よりも「程遠い」というのが実態である。

さらに日米欧では「2%の物価上昇」という目標を測る物差しが違っている。欧米の中央銀行が物価を測る物差しとしているのは、FRBがPCEコアデフレーター、ECBがコアCPIである。日銀もコアCPIを物価を測る物差しとして利用しているが、問題は「コア」の定義である。

FRBが利用しているPCEコアデフレーターも、ECBが利用しているコアCPIも「生鮮食品とエネルギーを除いた」ものであるのに対して、日銀が利用しているコアCPIは「変動の大きい生鮮食品を除いた」ものであり、エネルギー価格は含まれている。欧米と同様に「生鮮食品とエネルギーを除いた」CPIは日本では「コアコアCPI」と言われるものである。

この「コアコアCPI」の昨年12月の前年同月比上昇率は僅か0.3%であり、日本は「未だデフレから脱出出来ていない状況」にある。「もはやデフレだと言えない状況を作り出した」というのが嘘なのか、2019年度ごろに出口を検討する状況が訪れるという見通しが間違っているのだろうか。


WBC、山中と対戦したネリを「出場停止処分」に ~「許容できない」体重超過と花道

「WBCはネリの行動をプロフェッショナリズムに反していると非難。『5ポンド(約2.3キロ)の体重超過は許容できない。経緯を調査するため、ネリに聴聞会への出席を義務づける』と声明を発表し、結論が出るまでの出場停止処分を科した」(3日付スポニチ 「ネリ、無期限出場停止 WBCが非難『許容できない』」

5ポンドの体重超過は前日の計量で明らかになっていたこと。それが「許容できない」問題なら、何故試合開催を止めなかったのかという問題が生じている。これは、この試合を世界タイトルマッチとして認定したJBC(日本ボクシングコミッション)にも影響が及んでくるもの。

世界タイトルマッチに認定せず試合を中止にすれば、認定料が得られないWBCにも、興行収入が得られないJBCにも「許容できない」問題が生じるという事情があったということか。

「結論が出るまで出場停止処分を科した」といっても、WBA、IBF、WBOと主要団体が4つ存在する現状で、この処分がどの位効果を発揮するのだろうか。他団体で試合が出来るのであればネリにとっては痛くもかゆくもない。

とはいえ、当日両国国技館に観戦にいった1ファンとして、試合中止という決定を受け入れられたかは疑問。確実なことは、山中慎介の試合がなければ国技館までいかなかったこと。こうした状況はファンにとっても興行主にとっても「許容できない」事態。

5ポンドの体重超過が「許容できない」ことを最も強く感じていたのは山中慎介選手のはずで、本当は試合を中止してほしかったに違いない。しかし、国技館に集まったファンやTVで応援してくれるファンに「許容できない」失望を与えることに加え、いくつもの「許容できない」事態を引き起こすこともを知っていたがゆえに、それが出来なかったように思えてならない。

山中慎介が試合開始から気負ったように積極的に前に出たのも、「許容できない」体重差があるため早めに主導権を握らなければいけないという焦りがあったからかもしれない。実際にプレッシャーがあまりかけられていない状況で強引に前に出たことで、2階級上の体重のネリの強烈なカウンターを被弾することになってしまった。

輝かしい戦績を誇る山中慎介選手が「興行」優先の試合によって引退することになったことがかえすがえすも残念。もっと相応しい花道があったはずなのに。今回のタイトルマッチは、山中慎介選手の花道として「許容できない」試合になってしまった。

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
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ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

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