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「バリュー投資」は死んだ??~ 目標を明確にできない投資家に明日はない

「日興リサーチセンターによると大型株対象の日本株投信のうち、割安株投資の運用成績は今年上半期にマイナス5.6%と、成長株投資のマイナス2.4%を下回る。17年もプラス25%と31%の成長株投資に負けた」(25日付日経電子版 「バフェット流運用の受難 一部成長株に資金集中」

だからどうしたというのだろうか。これを以って「バリュー投資が死んだ」と結論付けるのは余りに短絡的だ。昨年「バリュー投資」がもたらした25%というリターンでは物足りないというのだろうか。

仮に投資家の目的が「リターンの最大化」であるならば、こうしたリターンの差は大きな差かもしれない。

しかし、投資家の株式投資の目的が、預金等では得られない、例えば8%程度のリターンを得ることだとしたら、25%というリターンは十分過ぎるものだったといえる。

投資家が求めるリターンを無視したリターンの背比べをしているところに「投資リテラシー」の低さが滲み出ている。

「『違う手法を試さざるを得ません』。さわかみ投信の草刈貴弘取締役最高投資責任者(CIO)は苦しげに語る」(同日経電子版)

こうした発言から感じることは、何を目的に運用をしているのかということ。

もしTOPIXなどを上回る収益を目標としているのであれば、「バリュー投資」だの「グロース投資」など、便宜上の分類に拘るのは投資家として愚の骨頂。

一方、「バリュー投資」が有効であるという哲学と信念を持ち、投資家の求めるリターンを確保出来ると信じているのであれば、相対リターンが低いからと言って「バリュー投資」から「グロース投資」にシフトするというのはおかしな話。

「米ウォール街では『バリュー投資の死』の言葉さえ聞かれる」(同日経電子版)

何と大袈裟な。

悲しむべきことことは、「バリュー投資」のリターンが「グロース投資」のリターンに及ばなくなったことではなく、投資家が自分に求められているリターンを明確に認識出来なくなって来ていることだ。

「バリュー投資の死」とは、「バリュー投資」で投資家に求められるリターンを確保できない状況が訪れた時であり、相対的に「グロース投資」に勝てなくなることではない。

例え相対リターンで「グロース投資」に劣ったとしても、「バリュー投資」で投資家に求められるリターンを得られるのだとしたら、「バリュー投資は生きている」といえる。

「バリュー投資」が「目的」なのか、それとも目的を達成するための「手段」なのか。

投資家が肝に銘じなければならないことは、「目標を明確にできない投資家に明日はない」ということだ。

蛇足だが、個人的には「バリュー投資」や「グロース投資」といった便宜上の分類には全く興味がない。なぜなら自分に求められていたのは、単純に顧客に求められるリターンを確保することであり、「バリュー投資」をすることでも、「グロース投資」をすることでもなかったからだ。

【お知らせ】
5月末に河出書房新社から「1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実」を上梓しました。

1989年12月末にかけて何故バブルは醸成し、何故1990年1月からバブル崩壊が始まったのか、を明らかにするとともに、このバブル崩壊は、日本の株式市場が「相場観」だけでは戦えない市場になったことを告げる警鐘であることを告げるものだった。

そして、バブル崩壊によって投資信託業界が大きく変わっていったことも書いていますので、是非こうした相場変動時の対応の参考にお読みください。

表紙(帯付小)


ファンドマネージャーは「株価予想」の専門家に非ず

公開されてから20日。「MONEY VOICE」への寄稿記事「海外メディアが日銀を完全無視へ。詭弁が通じず、黒田日銀がついに『敗北宣言』」がようやくアクセスランキング Top になりました。

また、毎週月曜日(週の最初の営業日)に発行している有料メルマガ「元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚」から転載された記事「トルコリラ暴落が世界金融危機の引き金に。日本経済はこの残暑に耐えられるか?」も第8位に。

有識者やエコノミスト達とは異なった、実際に大きな資金を動かしていた経験に基づく金融・経済、市場の見方に関心のある方は是非ご覧ください。

経済は「ヒト、モノ、カネ」の動きです。しかし、この3つは同時に動くわけではありません。動く順番は「カネ、モノ、ヒト」です。そして「カネ」の動きは「モノ」の動きに影響し、その「モノ」の動きの変化が「カネ」の動きに影響を与え、最終的に「ヒト」にも影響を及ぼします。

従って、最初に「カネ」を動かす立場にいるファンドマネージャーの感覚は、金融・経済の動きを知るうえで重要なファクターとなり得るものだと思います。

運用の専門家だと思われているファンドマネージャーに対しては、「株価予想」「為替予想」を期待してしまう傾向が強いですが、金融・経済の動きを知る上での羅針盤としての役割を持っていることをもっと知って頂けたら嬉しく思います。

「元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚」はこちらから。初月無料です。


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表紙(帯付小)

2018年金融史上最大のリスク要因はテスラ?

「SECによる調査は、おそらく投資家が予想するのとは違う意味で脅威となる。テスラが規制違反で罰金を科されたとしても大したことではない。むしろ、調査が行われる間、何より必要な資金の調達が困難になりかねないことが重大だ」(WSJ「テスラ、SECの調査で形勢一変 資金調達に壁」)

「ニューヨーク・タイムズ(NYT)が同CEOとのインタビューを基に報じた。インタビューでマスク氏は何度も目に涙を浮かべ、テスラを率いることの心身への負担について語った。1時間に及ぶインタビューでマスク氏は睡眠薬の『アンビエン』を頻繁に服用していることも明らかにした。『眠れないかアンビエンを飲むかのどちらかということがよくある』と語った」(Bloomberg 「テスラ非公開化ツイートは投稿前にチェックなし、マスク氏が明かす-NYT」)

資金枯渇が先か、イーロン・マスクCEOが倒れるのが先か。

「マスク氏にとって切り札になり得るのは自ら創業したスペースXだ。衛星打ち上げのベンチャー企業で、モルガン・スタンレーによると『企業価値は460億ドル(約5兆円)』。マスク氏は株式の5割強を持ち、議決権の8割近くを押さえているという。スペースXがテスラを買収するか、保有するスペースX株を担保にマスク氏が資金を借りて買収する判断もありうる」(16日付日経電子版「テスラ、CEOの告白に広がる不安」

幾らスペースXの企業価値が高い(米ベンチャー企業の時価総額番付で、ウーバー・テクノロジーズ、エアビーアンドビーに次ぐ3位)とはいえ、X社もまだ資金調達段階の会社。

今年の金融市場の最大のリスクは、中国でもトルコでもなく、テスラになるかもしれない。

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トルコリラ急落 ~「押目」は買っていいが、「落ち目」は買ってはならない

「トルコリラの急落を受け、日本で販売されているトルコの債券や株式を組み入れた投資信託が大幅に値下がりしている。前年末比の下落率が5割を超えるケースもあり、トルコ関連投信全体では資産額が約2000億円目減りした。地理的には遠く離れたトルコ発のショックが日本の個人投資家に打撃を与えている」(17日付日経電子版 「トルコ投信、大幅値下がり 資産、2000億円に半減 個人に打撃、解約停止も」

日本人は、何故かブラジルとトルコが大好きだ。通貨選択型投信で売れるのはブラジルレアルとトルコリラ。中国元はほとんど選択されない。それ故に、トルコリラの急落は日本人投資家に直接響く。

相場が下落すると「逆張り」「押目買い」をする人達が増えてくる。しかし、「逆張り」「押目買い」というのは、基本的に市場が安定的に推移するなかで効果を発揮する手法であることはあまり認識されていない。

「押目」は買っても「落ち目」は買ってはいけない。

これが運用の基本。表面的な価格だけを見ている人にはこの違いは分からない。

問題なのは、証券会社や銀行の営業担当者がこうしたことを知らないこと。なぜなら彼らは「販売のプロ」であり、「運用のプロ」ではないからだ。個人投資家の多くはここを誤解している。

単純で重要なことは

・為替は「金利差」だけでは決まらない
・Volatilityが急上昇はした際には、単純に過去の延長線上で物事を考えてはいけない

ことを認識しておくことだ。

<マーフィーの法則 ~ ラスベガスの法則>
そろそろ運が変わるだろうと思って、敗者の側に賭けてはいけない。

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そして、バブル崩壊によって投資信託業界が大きく変わっていったことも書いていますので、是非こうした相場変動時の対応の参考にお読みください。

リラ下落が欧州日本人選手に及ぼす影響やいかに

「トルコの通貨リラの急落が金融市場を揺さぶっている。対米関係の悪化に加え、金融政策への介入など強権的な政権運営も投資家の信頼を損ない、マネーの流出が止まらない」(11日付日本経済新聞「トルコ通貨安加速」

リラ急落のニュースを聞いて心配になるのが、トルコのガラタサライに所属している長友選手のこと。長友選手は年俸をどの通貨で貰っているのだろうか。ユーロなのかドルなのか、それともリラなのか。

ユーロやドルならば、クラブ側の支払能力に対する不安が高まるし、リラで受取っているとしたら実質的に長友選手は大減俸を食らったのと同じことになる。

香川選手もトルコのクラブへの移籍が噂されたりしているが、こうなったら選手は誰もトルコのクラブへの移籍を承諾しないし、クラブも移籍金を払って海外から選手を獲得することは難しい。

プレミアリーグを除く欧州サッカー市場の移籍期間は8月末まであるが、リラの急落によって、トルコのチームは欧州の移籍市場から締め出され、チームの補強が困難な状況に陥った。香川選手がトルコのチームに移籍する可能性はほとんどなくなったといえそうだ。

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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