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放送枠拡大で劣化が激しい「ニュースモーニングサテライト

1998年10月からスタートした朝の経済報道番組「ニュースモーニングサテライト」。欧米の金融市場の動向を知るうえで貴重な番組であるため、その前身の「マーケットLIVE」時代から20年以上視聴し続けている。

ネットが未発達だった1990年代半ばは勿論、ネットが発達した今日でも、食事をしながらでも、布団の中で横になりながらも情報を得られるという点では貴重な番組であり続けている。

しかし、その貴重な番組の質は、20年という時間を経て目を覆いたくなるほど劣化してきている。最近始まった「モーサテQuiz」やら「トップの勝負飯」「QuickのAIを使った株価予想」など全て朝の経済情報番組には不必要な贅肉にほかならない。

番組に登場するコメンテーターも、証券会社のエコノミストやストラテジストといった肩書以外に専門性を感じさせられない広告宣伝部員のような人ばかりになっており、専門家として有益な分析や着眼点を披露できるのは2~3人しかいないのが実情。

30分番組であった頃はコンパクトに情報を得られる貴重な情報番組であったが、贅肉と悪玉コレステロールを増やし、ダラダラと放送時間を1時間20分まで肥大化してしまった今、この番組の魅力と貴重性は大幅に低下してしまっている。

以前は「オンタイマー」機能を使って5:45の番組冒頭から見ていたが、今は番組を録画し、30分後位から「早送り」と「スキップ」機能を駆使して見るようになっている。

情報が溢れている今日、「進化とは無駄な情報を切り落としていくことである」ということを再認識して原点に戻ってもらいたいものだ。30分でもいいので「早送り」と「スキップ」機能を駆使せずに済む「筋肉質の番組」に戻って貰いたいと思っているのは小生だけなのだろうか。

「日程的複合要因」によって救われた世界同時株安

NYダウが2日間で1300ドル下落し、世界同時株安不安が高まった金融市場も落ち着きを取り戻しつつある。NYダウは節目の2500台で踏みとどまり、一時21台まで上昇したVIX指数も18台まで低下してきた。

終値ベースでは落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ、NYダウの日中の値幅(=高値-安値)はまだまだ大きい状況が続いている。先週(15~19日)のNYダウの一日の値幅の平均は350ドルと、それまで2か月の平均約170ドルの倍に達している。こうしたところにも方向感が乏しくなって来ていることが表れている。

方向感が失われているのは、日程的にポジションを取り難い期間に入っていることが大きな要因である。こうした日程的な空白期間に起きたサウジアラビアの問題も不透明感を強める要因になっている。

中東最大の産油国であるサウジアラビアは、原油の需給バランスや中東のパワーバランスを保つという重要な役割を果たすことで独裁国、非人道的国家という側面を持ちながら米国の友好国として自由主義国のように振舞えてきた。しかし、それを続けることは難しくなった。

注目されているのはトランプ大統領の対応。サウジアラビアの非人道的行為が明白になった場合、中国や北朝鮮、イランの非人道的行為を非難してきた米国が武器購入を通して米国の雇用に貢献しているという理由で何の行動も起こさないというのは難しい。

とはいえ、中東最大の産油国であるサウジアラビアに対してイランと同じような原油輸出等の経済制裁を加えることも難しい。イランに原油輸出という経済制裁を課せられるのもサウジアラビアに原油増産の余力があるからである。

本来ならば莫大なオイルマネーを所有し、世界最大の投資国でもあるサウジアラビアの記者殺害疑惑は金融市場にとって大きなマイナス要因である。しかし、今のところその悪影響は金融市場に表れてはいない。

それは、中間選挙が迫り、例えサウジアラビア記者の殺害疑惑がネガティブな材料であっても、投資家の多くが大きなポジションを取り難い時期にあるからである。

それ以外にも、ここに来てこれまで世界経済の不安要素であった新興国に変化が起きている。今回のサウジアラビア記者殺害疑惑の舞台となったトルコは、この事件を契機に米国との関係悪化の原因ともなっていた米国人牧師を解放し、米国との関係改善に動き出している。さらに9月に政策金利を24%まで引き上げたこともあり急落したトルコリラにも歯止めが掛かっている。

さらに、米国との貿易問題を抱える中国は準備預金比率の引き下げや減税などの景気刺激策を打ち出した。中国上海市場は一連の対策に敬意を表して大きな反発を見せているが、米中貿易摩擦の影響が統計的に確認できていない段階でこうした政策を評価するのは難しいことでもある。

その成果を評価することは難しいものの、トルコや中国で政治的な思惑もあり事態の悪化を防ぐような動きが見られていることは、不安定な金融市場を下支えする要因にはなっていると思われる。同時にそれが為替市場での円高圧力を弱めるといえる。

中間選挙に加え、米国金融政策に関する日程もこうしたポジションを傾けにくい要因になっている。

一時3.24%台まで上昇してNY株式市場の波乱要因になった米国10年国債利回りは足元3.2%を下回る水準で落ち着いた動きとなっている。しかし、先日公表された9月のFOMC議事録でもFRBが漸進的利上げを続ける方針であることが確認され、12月のFOMCでの25bpの利上げを80%程度織り込んでいることを受けて、2年債の利回りはジリジリと上昇を続けており2.9%台に乗せて来ている。

「調査会社ファクトセットによると、これまでに7-9月期決算を発表したS&P500種指数構成企業85社のうち、35%が売上高でアナリスト予想を下回った」状況の中でのこうした金利の上昇は、今後の企業業績に下方圧力が加わる可能性を示唆するもので警戒を要する動きではある。

しかし、利上げが確実視されているFOMCが開催されるのは12月18、19日と、約2か月先でのことである。9月25、26日のFOMCで利上げが実施されてから1ヵ月も経たないこの時期に、中間選挙後の12月に利上げが確実視されていることを材料に動くのは余りに先走り過ぎである。つまり、FRBの金融政策も日程的に材料になり難い時期にある。

中間選挙とFOMCの日程、さらにヘッジファンドの決算などといった「日程的複合要因」によって金融市場は方向感を失ってしまっている。

方向感が定まらない中で見落としてはならないことは、ファンダメンタルズ面でのピークは過ぎており、下り坂に向かう可能性が高い状況にあるということだ。

今後米中貿易戦争の影響が統計的に裏付けられることになるはずであるし、サウジアラビア記者殺害疑惑も世界経済の波乱要因になり得るもの。さらには、年末に向けての英国のブレグジット問題や、ドイツのメルケル政権の不安定化に加え、日本では日米貿易交渉に消費増税問題と、世界経済は問題山積の状況にある。

金融市場が方向感を失うことで世界同時株安が防がれている格好になっているが、それは事態が好転していることを示唆するものではなく、「中間選挙」「FOMC」「ヘッジファンド」等が織りなす「日程的複合要因」によって覆い隠されている可能性が高いということを認識しておくことが必要そうだ。

※ 2018年10月22日発行有料メルマガ「元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚」より転載

70歳雇用へ数値目標?

「政府は継続雇用年齢を65歳以上に引き上げる法改正に向けて、企業に対して70歳までの雇用を促すための計画の策定を義務付けることを検討していることが19日、分かった」(19日付日経電子版「70歳雇用へ企業に数値目標 政府、計画義務付け検討」

65歳でハッピーリタイア出来る人間の数値目標も設定して欲しい。

「70歳まで働ける」というのと「70歳まで働かなければならない」のとでは大きな違い。

個人は70歳になっても社会に求められる存在であり続けることを目指し、社会は「年齢に関係なく働く意欲と能力を持つ人にその機会を与える」というシステムであって欲しい。

個人的感想に過ぎないが、お上から与えられた権利は有効利用されることは少ない。

KYB…、名は組織を表す?

「KYB」という社名が悪かったのだろうか。

「カヤバ工業」から「KYB」に社名変更したのは2005年。その2年後に第一次安倍内が「KY内閣」と呼ばれたことで「KY(空気を読めない)」が流行語大賞になることを分かっていたらこの社名にはしなかったかもしれない。

製造業では「KY」は本来「危険予知」の略語。KYBはその名の通り「空気を読めない」だけでなく「危険予知もできない」組織になってしまってしまっていた。

とはいえ、データ改ざんはこの会社の専売特許ではなく、多くの企業で行われてきており、もはや日本企業のお家芸といえる状況になっている。

忘れてはならないことは、データ改ざんは民間企業だけでなく、「KY」の育ての親でもある安倍政権の行政分野でも行われていること。

日本社会が抱える本質的な問題は、民間企業のデータ改ざん問題は長期間大きく報じられ批判を受け続けるのに対して、政府や霞が関によるデータ改ざんは短期間で幕引きが図られてしまうところにあるのかもしれない。

誤解されている「VIX指数」

「投資家の不安心理を表す米株の「VIX(変動率指数)」は前日までの20台から大きく低下し、17台に戻った。VIXの急上昇は、この指数をモノサシにして資産構成を決めるファンド勢の株売りを誘発し、さらなるVIXの上昇の悪循環をもたらしやすい。VIXの急低下は、そうした売り圧力が萎えてきた傍証ともいえそうだ」(17日付日経電子版「NY株急反発、『動揺と恐怖』は消えたか」

そもそも「VIX指数(恐怖指数)」に対する認識が間違っている。「VIX指数」は相場の「先行指標」ではなく「遅行指数」でしかない。

「VIX指数」が上昇するから株価が下落するのではなく、株価が下落するから「VIX指数」が上昇しているのだ。

「VIX指数」が低下して株価が反発したことは喜ばしいことではある。しかし、先週NYダウが1300ドル下落し、日経平均が一時1000円下落した直後に受けた週刊誌のインタビューは株価上昇によって掲載されずにボツとなり、テレビの方は企画変更でお流れに。

メディアの動きも「VIX指数」のようだ。

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

近藤駿介 実践!マーケット・エコノミー道場

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著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

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