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SNSで発信すれば若者の行動変容を促せるという思い上がり

「例えばSNSだとか、そうした若者のよく捉えられる、見られる部分に対しての広報が全く欠けていたのではないかなというふうに思っています。また、私自身も、そうした若者の方に対しての発信が足りなかったのだろうというふうに思っています。そうしたことをしっかりと発信していきたい、こういうふうに思っています」(18日付首相官邸HP 「新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見」

昨日の1都3県に対する金融事態宣言解除決定記者会見でこのように発言していた菅総理。

それに合わせるようなタイミングで持ち上がってきたのがLINEの個人情報管理不備問題。

「武田良太総務相は19日の閣議後の記者会見で、総務省が対話アプリ「LINE」を通じて提供している行政サービスの運用を停止する考えを示した」(19日付日経電子版 「LINEでの行政サービスを停止 総務省」

SNSを利用して感染対策をめぐる若者への呼び掛け強化すると宣言した総理は、8000万人が利用している LINE 抜きで呼び掛け強化を図らなければならなくなった。悲しいことだが菅総理は「持っていない」。

そもそも「SNSだとか、そうした若者のよく捉えられる、見られる部分に対しての広報が全く欠けていた」ことが、国の呼び掛けが若者たちに届かない理由だと思っているとしたら、それこそがSNSリテラシーの低さを象徴するものだ。

SNS乱立時代に重要なのはコンテンツ。(1)飲食を通じた感染防止(2)変異株への対応(3)感染拡大の予兆をつかむための戦略的検査の実施(4)安全迅速なワクチン接種(5)感染拡大に備えた医療体制の強化、といった聞き飽きた「感染再拡大防止の5本の柱」をSNSで発信しただけで若者たちに行動変容を促せると思っているとしたら大きな間違いだ。

根本的な問題は若者たちの多くが政府をリスペクトしてないことだ。国会のやり取りを見ていればそれも仕方のないこと。国会の様子はSNSを通して若者たちに伝わっていることを忘れてはならない。レベルの低い政治の現状は若者たちに届かず、行動変容を促す政府のお願いだけは若者たちに伝わるとことを夢みているとしたら勘違も甚だしい。

政府が肝に銘じなければならないことは、若者に限らず人間はリスペクト出来ない人からの説得で行動変容を起こすことはないということだ。

SNSで若者向けへの発信を考えるより先に、テレビ中継やニュースで伝えられている国会の姿、政治の在り様を反省することから始めた方がよさそうだ。若者の行動変容を促すためにも…。

「持続的な金融緩和」を目指すための政策修正が浮き彫りにした「持続的でない金融緩和」

「上場投資信託(ETF)購入は原則年6兆円の目安を削除した。株高局面は購入を見送り、市場の混乱時に積極的に買う姿勢を明確にした。買い入れ対象は東証株価指数(TOPIX)連動型のみとする」(19日付日経電子版 「黒田総裁「強力な金融緩和続ける」 日銀が政策修正」

ETF購入の上限だけを残し目安を削除したということは、日銀がETFの購入義務を放棄したということ。それは「出口」の問題ではなく、ETF購入の物理的な限界が迫って来ていることを示唆するもの。

「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくため」ということを掲げた金融政策で ETFの買入対象をTOPIX連動型のみにしたということは、日経平均連動型 ETF購入では「持続的な金融緩和」を実施できないことの証左である。

それは、ETF購入においてボトルネックになっているファーストリテイリングの浮動株数の減少問題を解決できなくなって来ているということ。

日経平均株価におけるファーストリテイリングの構成率は11.0%(19日時点)であるのに対して、TOPIXにおいては0.48%に過ぎない(1月末時点)。日本を代表する両指数間でファーストリテイリングの構成比は23倍も違うのだ。

今回日銀がETF購入対象をTOPIX連動型に限定したのは、TOPIX連動型の方が浮動株数の少ないファーストリテイリング購入株数が少なく済むので「持続的な金融緩和を実施していく」ことが出来るという判断からだ。日経平均連動型のETFを購入し続けると23倍早く弾切れになってしまう。

ほとんどの国民は「お札を刷ることのできる日銀によるETF購入には限界がない」と信じているはずだ。しかし、こうした考え方は改める時期に来た。財源が無限であっても、購入する資産が有限だったら、購入できる規模も有限だからだ。無尽蔵にお金を生み出すことのできる日銀によるETF購入も、「いくらお金を持っていても、モノがなくなれば買うことが出来ないという」という当たり前の壁にぶち当たってしまったのだ。それは、1年前に多くの国民がマスクを変えなかったのと同じ状況なのだ。

<参考記事>「バブル崩壊」兆候のウラで…急失速する「日銀ETF購入」の前に立ちはだかるユニクロ

日銀が打ち出した「より効果的で持続的な金融緩和について」という政策修正によって、現状の金融政策が「効果的で持続的な金融緩和」ではないことが浮き彫りにされたことは皮肉なことだといえる。悪事はいつかは白日の下に晒される運命にあるのだ。中央銀行によるETF購入という禁じ手は、景気が良くなっている感を演出するための罪深きお化粧で終わる運命を迎えつつあるようだ。

女性タレントの容姿侮辱問題で問われているのは個人のジェンダー意識だけなのか?

「五輪の開会式でタレントの渡辺直美さん(33)に豚をモチーフとするキャラクターを演じてもらうことを思いつき、演出関係者のグループLINEに送信」(18日付日経電子版 「五輪信頼再び失墜 式典統括辞任、体制立て直し急務」

芸人の中には自分の体形や外見的特徴を笑いのネタにする人も少なくない。しかし、それを許されるのは本人だけで、第三者が笑いのネタにするのは下衆というもの。

テレビCM等で活躍してきた方がどうしてこんな演出がウケると思ってしまったのだろうか。

個人的には自分の体形や外見的特徴を笑いのネタにした笑いはどうしても「芸」に思えないので好きではないが、それ以上に嫌いなのは所謂「ドッキリ企画」。

いじめやパワハラが社会問題になっているこの時代に、人に恥をかかせ、それを見て皆で笑うという企画が堂々と平然とお茶の間に流されていることには強い嫌悪感を覚えてしまう。芸人やタレントなら笑いの対象にしてもいいという訳ではない。「ドッキリ企画」は、個人的には今回の件よりもずっと悪質で罪深い。

渡辺直美さんに豚をモチーフとするキャラクターを演じてもらうことを思いついたクリエーティブディレクターは、「ドッキリ」のように人をコケにして安易な笑いを取るテレビに染まり過ぎてしまったのかもしれない。

今回の「女性タレント容姿侮辱問題」で問われているのは、クリエーティブディレクター個人のジェンダー意識だけでなく、こうした安易な演出を面白いと思う人間を作り出してしまったテレビ業界の現在の在り様でもあるように思えてならない。

首都圏緊急事態宣言解除 ~ 宣言無き「緊急事態」は続く

「菅総理大臣は、首都圏の1都3県で継続している緊急事態宣言を、今月21日の期限で解除すると表明しました」(17日付 NHK NEWSWEB 「首都圏1都3県の緊急事態宣言 21日解除へ あす正式決定 菅首相」

東京都の新規感染者数が1カ月ぶりに400人超となったその日、リバウンド懸念に「先手」を打つかのように菅総理は金融事態宣言解除を表明した。

これに対して東京都は「営業時間の短縮要請に応じていない飲食店のうち正当な理由がないと判断した店に対して、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく命令を早ければ18日にも出す」(17日付 NHK NEWSWEB 「東京都 時短要請応じない店に 特措法に基づく初の命令へ」)方針のようだ。

緊急事態宣言は解除されたが、「もう打つ手がない」「これ以上効果は期待できない」と白旗を上げた無策な総理と、これを機に政府と別方向にアクセルを踏んで存在感を高めようとする無神経な都知事に挟まれた国民の「緊急事態」は当面続きそうだ。

首都圏知事見解相違 ~「代理戦争」か「スタンダードにはスタンドプレーを」か?

「21日まで延長された1都3県への緊急事態宣言の解除を巡り、知事の見解が分かれている。神奈川県の黒岩祐治知事は15日、新規感染者数や病床の逼迫度合いなどから「総合的にみると(神奈川では)解除の条件は整っている」と述べた」(15日付日経電子版 「首都圏知事、緊急事態宣言の解除で見解分かれる」

同じ首都圏とはいえ、都県によって状況の差があるので知事間で見解の相違があること自体は当然のこと。

ただ、前回2週間の緊急事態宣言延長決定直前に行われた都県3知事での会合の内幕を暴露するという暴走をしたこと、菅総理のお膝元である神奈川県は解除の条件が整っていることを強調していること、黒岩知事が自民党の支援を受けていること…、などを考えると、黒岩知事の一連の言動は、緊急事態宣言の解除をしたいものの、対立する都知事の反応に警戒感を抱いている菅総理へのアシストであるように思えてならない。

それとも、単純に元テレビキャスターの都知事のスタンドプレーを許し続けると、同じ元テレビキャスターの自分が都知事の部下のような印象を与えて存在感が失われかねないことに危機感を覚えて「スタンドプレーにはスタンドプレーを」という作戦に出ているということなのだろうか。

どちらにしても、両知事の言動が都民、県民ファーストから来ているものではないように感じてしまうことが悲しいところ。

近藤駿介

プロフィール

Author:近藤駿介
ブログをご覧いただきありがとうございます。
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来ました。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚をお伝えしていきたいと思います。

著書

202X 金融資産消滅

著書

1989年12月29日、日経平均3万8915円~元野村投信のファンドマネージャーが明かすバブル崩壊の真実

著書

中学一年生の数学で分かるオプション取引講座(Kindle版)

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